ふぃっしゅ数バージョン7 (F7)は、ふぃっしゅっしゅが2013年に考案した巨大数[1]である。ラヨ数の拡張であり、ふぃっしゅ数の中で最大である。
ふぃっしゅ数バージョン4では、神託機械によってビジービーバー関数をより大きくした。ふぃっしゅ数バージョン7では、ラヨ数の定義で使われるマイクロ言語に神託式を追加する。
定義[]
関数\(f\)から関数\(RR(f)\)への汎関数RRを、以下のように定義する。
- 関数fに対して「"\(f(a)=b\)"; a番目のオブジェクトとb番目のオブジェクトに対して"\(f(a)=b\)"が成り立つ」という神託式 (oracle formula) を使用可能な式に加えると、より強いラヨ関数gが得られる。fをgに変換する汎関数をRRとする。
したがって、新しいマイクロ言語は
- "a∈b" a番目のオブジェクトはb番目のオブジェクトの要素である
- "a=b" a番目のオブジェクトはb番目のオブジェクトと等しい
- "(¬e)" 式eの否定
- "(e∧f)" 式eと式fの論理積(and)
- "∃a(e)" 式eが真となるようにa番目のオブジェクトを変えることができる
- "f(a)=b" a番目のオブジェクトとb番目のオブジェクトに対して"\(f(a)=b\)"が成り立つ
となる。ここで、6番目の式が新しく加えた神託式である。
ふぃっしゅ数バージョン7は、ふぃっしゅ数バージョン6の定義で、 \(m(0,2)\) の定義を \(m(0,2)=RR\) に変えたものである。
ラヨ階層[]
以下ヴェブレン階層における \(\phi(2,0)\) を \(\zeta_0\) と表し、 \(\zeta_0\) までの極限順序数 \(\alpha\) に対するヴェブレン階層における基本列を \(\alpha_n\) と表す。\(\zeta_0\)以下の順序数 \(\alpha\) に対するラヨ階層 \(R_\alpha (n)\) をこのように定義する。
- \(R_0(n) = n\)
- \(R_{\alpha+1} (n) = RR(R_\alpha) (n)\) (\(\alpha\) が後続順序数の時)
- \(R_\alpha (n) = R_{\alpha_n} (n)\) (\(\alpha\) が極限順序数の時)
定義から
- \(R_1(n)\) はラヨ関数と等しい。
- \(R_2(n)\) は \(R_1(n)\) を神託式として持つマイクロ言語のラヨ関数である。これは、ラヨ関数およびラヨ関数よりも増加速度が小さい関数(計算可能関数、ビジービーバー関数、クサイ関数)を使って定義されるいかなる関数よりも増加速度が大きい。たとえば、 \(R_2(n)\) は \(Rayo^{Rayo(n)}(n)\) よりもはるかに大きく、また \(f_0\) をラヨ関数とした時の急反復階層で \(f_{\omega_\alpha^{CK}}(n)\) よりも大きい。ここで、\(\alpha\) は \(\alpha = \omega_\alpha^{CK}\) となる最初の順序数であり、クサイ関数が急増加関数でこの順序数に到達するとされている。
- \(R_3(n)\) は \(R_2(n)\) を神託式として組み込んだマイクロ言語のラヨ関数である。したがって、 \(R_2(n)\) よりもはるかに増加速度が大きい。
となる。したがって、通常のm(m,n)変換と急増加関数の関係と同様に、m(0,2)変換の定義を \(m(0,2) = RR\) に変えて得られるm(m,n)変換とラヨ階層の関係
\begin{eqnarray*} m(0,2)m(0,1)(x) &\approx& R_1(x) \\ m(0,2)^2m(0,1)(x) &\approx& R_2(x) \\ m(0,2)^3m(0,1)(x) &\approx& R_3(x) \\ m(0,3)m(0,2)m(0,1)(x) &\approx& R_\omega(x) \\ \end{eqnarray*}
を得る。このように、増加速度の見積もりは \(F_6\) と同様で、急増加関数がラヨ階層に変わったものとなる。\(F_7(x)\)の定義と増加速度は、このようになる。
\begin{eqnarray*} F_7(x) &:=& m(x,2)m(x,1) (x) \\ &\approx& R_{\zeta_0}(x) \end{eqnarray*}
ふぃっしゅ数バージョン7は、次のように定義され、近似される。
\begin{eqnarray*} F_7 &:=& F_7^{63}(10^{100}) \\ &\approx& R_{\zeta_0}^{63}(10^{100}) \end{eqnarray*}
公理系の指定[]
ふぃっしゅ数バージョン7はラヨ数の定義を元としているが、ラヨ数の定義には公理系が明示的に書かれていないために定義が不完全であるという問題があり(ただし、ラヨは哲学的な解釈では有効であると主張している)、その問題はそのままふぃっしゅ数バージョン7にも当てはまるため、ふぃっしゅ数バージョン7の定義は不完全である。
p進大好きbotは、この問題を解決するために、ふぃっしゅ数バージョン7のZFC類似である小ふぃっしゅ数バージョン7を定義した[2]。
出典[]
- ↑ ふぃっしゅっしゅ (2013) 『巨大数論』初版 (2013年10月19日)
- ↑ ユーザーブログ:P進大好きbot/小ふぃっしゅ数バージョン7
関連項目[]
Aeton: おこじょ数・N成長階層
mrna: 段階配列表記・降下段階配列表記・多変数段階配列表記・横ネスト段階配列表記
Kanrokoti: くまくまψ関数・亜原始ψ関数・ハイパー原始ψ関数・TSS-ψ関数
クロちゃん: クロちゃん数(第一・第ニ・第三・第四)
じぇいそん: ふにゃふにゃぜぇたかんすう・\(\zeta\)関数
たろう: 多変数アッカーマン関数・2重リストアッカーマン関数・多重リストアッカーマン関数
Nayuta Ito: フラン数(第一形態・第二形態・第四形態改三)・N原始・東方巨大数4の規則の境界を突いた巨大数
バシク: 原始数列数・大数列数・ペア数列数・バシク行列システム
長谷川由紀路: 紅魔館のメイドナンバー・恋符マスタースパーク数・みくみく順序数
108Hassium: E2:B-01-Hs・L-階差数列類・E3:B-02-Hs
公太郎: 弱亜ペア数列・肉ヒドラ数列・弱ハイパーペア数列
p進大好きbot: 超限急増加関数表記・拡張ブーフホルツのψ関数に伴う順序数表記・四関数・三関数・巨大数庭園数
ふぃっしゅ: ふぃっしゅ数(バージョン1・バージョン2・バージョン3・バージョン4・バージョン5・バージョン6・バージョン7)・ マシモ関数・マシモスケール・TR関数(I0関数)
ゆきと: 亜原始数列・ハイパー原始数列・Y数列
本: 巨大数論・寿司虚空編
大会: 東方巨大数・幻想巨大数・即席巨大数・式神巨大数・お料理巨大数
掲示板: 巨大数探索スレッド
外部リンク: 日本語の巨大数関連サイト