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フェリエ素数 (Ferrier's prime) とは、1951年にAimé Ferrierによって発見された以下の素数である。

\[\cfrac{2^{148}+1}{17}=20988936657440586486151264256610222593863921\]

Ferrierはフェルマーの小定理と機械式卓上計算機を用いてこれが素数であることを確かめた。フェリエ素数は、コンピューターを使用しての素数探索以前に発見された最大の素数である[1]

正確な発見日に関する議論[]

フェリエ素数は、1876年にエドゥアール・リュカによって発見された\(M_{127}=2^{127}-1\)\(=170141183460469231731687303715884105727\)よりも大きく、約75年間破られなかった記録を破った素数である。そしてこのことから一般的に、発見時点で知られていた最大の素数であると説明される[1]。しかしながら、J. C. P. MillerとD. J. Wheelerによって発見された\(180\times(2^{127}-1)^{2}+1\)は同じ1951年に発見されており、日付についてはどちらも7月初旬という曖昧な記述のみが残されているため、どちらが先に発見されたのかは正確には判明していない[2]

Mathematics of Computationの前身であるMathematical Tables and Other Aids to Computationによると、1951年7月14日の社説にフェリエ素数に関する記述があるため、それより以前に素数であることが判明していたのは確実である。また、Ferrierが故郷フランスの革命記念日に合わせてこの素数の存在を公表した可能性もあるが、あくまでも推測に留まる[2]

一方で、MillerとWheelerがNatureに投稿した、\(k\times(2^{127}-1)+1\)の形式を持つ大きな素数の発見について述べた論文では違う見方もできる[3]。この論文は1951年6月7日に投稿された後、10月8日に追記がされている。それによれば、7月初旬に\(180\times(2^{127}-1)^{2}+1\)を発見したと述べており、そしてフェリエ素数について「知られている中で2番目に大きな素数である」と言及している。素数の形式が途中で変わっていることから、これはMillerとWheelerが何らかの方法でFerrierによる素数探索を知ったことで、形式を変えての探索を行った可能性を示唆している。なぜなら、\(k\times(2^{127}-1)+1\)の形式の素数では複数の\(k\)についての言及がある一方で、\(k\times(2^{127}-1)^{2}+1\)の形式の素数では\(k=180\)のただ1つしか言及されていないためである。そして1番目の形式でフェリエ素数を超えるためには\(k=123362\)を計算しないといけないのに対し、2番目の形式では\(k=180\)のすぐ後に\(k=330\)があり、十分探索可能なため、MillerとWheelerがフェリエ素数を超える大きさの素数を先行して発表した可能性があるためである。無論、こちらについても推測に留まっている[2]

出典[]

  1. 1.0 1.1 "The Largest Known prime by Year: A Brief History". The PrimePages.
  2. 2.0 2.1 2.2 "Which came first: 180(2127-1)2 + 1 or (2148-1)/17?". The PrimePages.
  3. J. C. P. Miller & D. J. Wheeler. "Large prime numbers". Nature 1951; 168, 838.

関連項目[]

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