フラン数第一形態は、巨大数大好きbotが2018年3月17日に考案した東方巨大数である。[1]フラン数第二形態と同時に定義が公開された。
定義の原文[]
【第一形態】
定義:
直線状に繋がった1個以上の頂点からなるグラフを鎖と呼び、鎖の一方の端を根、もう一方を葉と呼ぶことにする。
羽とは、主鎖と呼ばれる鎖と、主鎖にある頂点のうち根でない頂点を根とする副鎖と呼ばれる鎖から構成されたグラフである。主鎖の各頂点は最大1個の副鎖の根となる。
羽と自然数の組をヒドラと呼ぶ。
ヒドラを「きゅっとする」とは、
羽のうち「長さが1以上の副鎖を持つ頂点または主鎖の根」のうち最も葉側の頂点より右側にある辺と頂点をすべて削除し(注:削除した部分に枝分かれは存在しない)、削除した頂点の数だけ自然数を増加させることをいう。(注:葉が長さ1以上の副鎖を持つ場合は、きゅっとしてもヒドラが変化しない。)
ヒドラを「ドカーンする」とは、
葉が長さ1以上の副鎖を持たない場合は何もせず、
葉が長さ1以上の副鎖を持つ場合は、その副鎖の葉(主鎖の葉ではない方の端点)とそれに接続する辺を削除し、その副鎖のコピーを自然数の個数だけ、副鎖の根を主鎖の頂点とするように連結させることをいう。(注:葉側に同じ副鎖を持つ頂点が(自然数+1)個できることになる)
計算方法:
羽が単一の頂点だけになるまで、きゅっとしてドカーンする。
羽が単一の頂点になった時の自然数が、そのヒドラの表す数である。
計算例:
o-o[-o-o]-o-o2 →(きゅっとする) o-o[-o-o]4
→(ドカーンする) o-o[-o]-o[-o]-o[-o]-o[-o]-o[-o]4
o-o-o-o[-o]3 →(きゅっとする) o-o-o-o[-o]3
→(ドカーンする) o-o-o-o-o-o-o3
巨大数:
副鎖を角括弧で、頂点をoで表す。左端のoが根である。計算例も参考のこと。
フラン数第一形態=o-o[-o-o]-o[-o-o]-o[-o-o]-o[-o-o]16
修正[]
上の定義中の、「長さが1以上の副鎖を持つ最も葉側の頂点」は「長さが1以上の副鎖を持つ頂点または主鎖の根のうち最も葉側の頂点」と修正されている。[2]また、「(長さが1以上の副鎖を持つ頂点または主鎖の根)のうち最も葉側の頂点」という意味であると説明されている。[3]
計算例[]
次のヒドラを展開する。説明のため、各頂点に番号を記した。
このヒドラをきゅっとするとき、「(長さが1以上の副鎖を持つ頂点または主鎖の根)のうち最も葉側の頂点」は⑦である。したがって、その右側にある⑧が削除され、削除された頂点は1個であるから、自然数は1増えて5になる。
このヒドラをドカーンする。葉(⑦)には長さ2の副鎖(⑦-⑫-⑭)が存在するため、その葉(⑭)を削除し、その副鎖(⑦-⑫)を5回コピーする。すなわち、以下のヒドラを得る:
順序数を用いた同値な定義[]
\( \omega^{\omega} \)未満の極限順序数に対し、その基本列を\( \left( \alpha + \omega^{\beta} \right) [n] = \alpha + \omega^{\beta'} \cdot \left( n + 1 \right) (ただし \alpha = 0 または \alpha \geq \omega^{\beta}) \)と定める。ただし、\( \beta' \)は\( \gamma + 1 = \beta \)を満たす\( \gamma \)である。
このとき、写像\( \mathrm{Step}: \omega^{\omega} \times \omega \rightarrow \omega^{\omega} \times \omega \)を次のように定義する:
- 第1引数が\( 0 \)であるとき、\( \mathrm{Step}(0, n) = (0, n) \)である。
- 第1引数が後続順序数であるとき、\( \mathrm{Step}(\alpha + 1, n) = (\alpha, n + 1) \)である。
- 第1引数が極限順序数であるとき、\( \mathrm{Step}(\alpha, n) = (\alpha[n], n) \)である。
また、写像\( \mathrm{Eval}: \omega^{\omega} \times \omega \rightarrow \omega \)を、
$$ \mathrm{Eval}(\alpha, n) = \mathrm{proj}_2 \left( \lim_{m \rightarrow \infty} \mathrm{Step}^m (\alpha, n) \right) $$
と定義する。ただし、\( \mathrm{proj}_2 \)は2番目の引数を返す射影関数である。
このとき、フラン数第一形態は
$$ \mathrm{Eval} \left( \omega^2 4, 16 \right) $$
である。
関連項目[]
外部リンク[]
- 西宮 七南-解説channel, ゆっくりと学ぶ巨大数論~フラン数第一形態~, YouTube.(フラン数第一形態の解説動画)