メガ素数 (Megaprime) とは、十進数展開が100万桁以上の素数のことである。これは1000桁以上の素数であるタイタニック素数、1万桁以上の素数である巨大素数の続きとして考案された用語である[1]。
知られている最大のメガ素数は、2486万2048桁の51番目のメルセンヌ素数 (\(2^{82589933}-1\)) である。これは知られている最大の素数でもある[2]。
概要[]
素数は無限に存在するため、ほとんど全ての素数はメガ素数である。しかし現在のコンピューターの速度と素数判定方法では、100万桁以上の数の素数判定には時間がかかるため、実際に発見されたメガ素数は2500個未満と少ない[3]。
現在知られている最小のメガ素数は\(10^{999999}+308267\times10^{292000}+1\)であるが[3]、真に最小のメガ素数であるかどうかは確定していない。確率的素数であるメガ素数の最小の候補は\(10^{999999}+593499\)である[4]。これは、タイタニック素数や巨大素数のそれぞれに真に最小のものが知られているのとは異なる。
歴史上最初に発見されたメガ素数は、GIMPSによって発見された209万8960桁の38番目のメルセンヌ素数 (\(2^{6972593}-1\)) である[5]。
その他[]
クラスとメガ素数[]
メガ素数の定義とクラスの考えに基づけば、クラス2に属するメガ素数は\(10^{999999} \leqq p \leqq 10^{1000000}-1\)を満たす素数\(p\)であることになる。また、知られている最小のメガ素数は\(10^{999999}+308267\times10^{292000}+1\approx9.62350\times10^{1000592}\)であり、クラス3である。よって、クラス2に属するメガ素数は現時点で未発見である。このような、クラスの境界部と定義の上限・下限が近い、桁数による名称がある素数はメガ素数だけである。
メガ素数とコルベール数[]
- 第2種シェルピンスキー数#コルベール数 も参照して下さい。
シェルピンスキー問題に関連し、\(k<78557\)の反例として示された素数のうち、十進数展開が100万桁を越える素数をコルベール数 (Colbert Number) と呼ぶ。これは、この問題に長年貢献したStephen T. Colbertに敬意を表して付けられた名称である[6]。
このコルベール数について、Wolfram MathWorldでは単に「十進数展開が100万桁を越える素数」としか書かれていないが[6]、そのままではメガ素数と定義が被る[1]。また、Wolfram MathWorldではメガ素数という用語は掲載されていない一方で、コルベール数の例はシェルピンスキー問題の反例として示され、かつ\(k<78557\)である数のみが掲載されている[6]。そしてPrime Glossaryではメガ素数が「100万桁を越える素数」の意味で掲載されている一方で[1]、コルベール数は第2種シェルピンスキー数の説明ページを参照する旨しか記載されていない[7]。
このことから、本Wikiではコルベール数を「メガ素数のうち、\(k\times2^{n}+1\)の形式で表され、かつ\(k<78557\)である数」とする。
出典[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 "megaprime". Prime Glossary.
- ↑ "Largest Known Primes". PrimePages Top 20.
- ↑ 3.0 3.1 "The Top 5000: Downloading the List". PrimePage.
- ↑ "10^999999+593499". PRP Records.
- ↑ "The Largest Known prime by Year: A Brief History". PrimePages.
- ↑ 6.0 6.1 6.2 "Colbert Number". Wolfram MathWorld.
- ↑ "Colbert number". Prime Glossary.