\( \newcommand\a{\alpha} \newcommand\b{\beta} \newcommand\g{\gamma} \newcommand\d{\delta} \newcommand\x{\xi} \newcommand\n{\nu} \newcommand\m{\mu} \newcommand\k{\kappa} \newcommand\c{\chi} \newcommand\p{\psi} \newcommand\vp{\varphi} \newcommand\o{\omega} \newcommand\O{\Omega} \newcommand\e{\epsilon} \newcommand\z{\zeta} \newcommand\G{\Gamma} \) \( \newcommand\On{\textrm{On}} \newcommand\AP{\textrm{AP}} \newcommand\CARD{\textrm{CARD}} \newcommand\Reg{\textrm{Reg}} \newcommand\dom{\textrm{dom}} \newcommand\Enum{\textrm{Enum}} \newcommand\Mah{\textrm{Mah}} \newcommand\N{\mathbb{N}} \newcommand\Trans{\textrm{Trans}} \)
\(\newcommand\cl{\textrm{cl}}\)
club集合[]
\(S\)が極限順序数\(\a\)のclub集合であるとは、以下のすべてを満たすことである:
- \(S \subseteq \a\)
- 任意の\(S' \subseteq S ~ (S' \neq \emptyset)\)に対し、\(\sup_{\b \in S'}\b < \a \Rightarrow \sup_{\b \in S'}\b \in S\)が成り立つ。
- 任意の\(\b \in \a\)に対し、\(\b \in \g\)を満たす\(\g \in S\)が存在する。
定常集合[]
\(\k\)が非可算な共終数を持つ基数とするとき、部分集合\(S \subset \k\)が\(\k\)内の定常集合であるとは、以下を満たすことである:
- \(\k\)の任意のclub集合\(C\)に対し、\(S \cap C \neq \emptyset\)が成り立つ。
マーロ基数[]
強到達不能基数\(\k\)に対し、\(\k\)未満の強到達不能基数全体をなす\(\k\)の部分集合を\(\textrm{Inacc}_\k\)と置く。
マーロ基数とは、以下のすべてを満たすもののことである:
- 強到達不能基数\(\k\)である。
- \(\textrm{Inacc}_\k\)が\(\k\)の定常集合となる。
club集合の性質[]
一般に、極限順序数\(\a\)に対し、\(\a\)未満の順序数全体のなす集合は\(\a\)そのものであり、\(\a\)のclub集合である。
正則基数\(\a\)に対して、\(\k\)未満の極限順序数すべてによる集合は\(\a\)のclub集合である。
\(\k\)を共終数\(\n\)の極限順序数とする。
ある\(\a < \n\)に対して、列\(C_\g : \g < \a\)が\(\k\)のclub集合の列であったとする。
このとき、\(\displaystyle \bigcap_{\g < \a}C_\g\)もclubである。
定常集合の性質[]
\(\k\)を正則基数で\(S \subset \k\)をその中の定常集合とすると、\(S\)は\(\k\)個の互いに交わりのない定常集合に分割できる。
弱マーロ基数の性質[]
弱マーロ基数\(\k\)のclub集合\(S\)の極限の集合と、\(\Reg\)または\(\textrm{Inacc}\)の共通集合をとっても\(\k\)のclub集合になる。(不明)
ラティエンのχ関数で定常性を使う理由を学ぶ[]
以下で出てくる\(\textrm{cl},\c,\b,\k\)はラティエンのψ関数を参照。
\(\c_0\)[]
\(X := \{\k : \k \notin B(0,\k) \land 0 \in B(0,\k)\}\)はM未満の非可算正則基数全体の集合になる。
\(\cl_M(X)\)はM未満の非可算正則基数とその極限(=極限基数)全体、つまりM未満の非可算基数全体の集合になる。
よって\(\c_0\)はそれを数え上げる関数になる。
\(\c_1\)[]
\(B(1,\b)\)では\(\c_0\)が属するため、\(0,\c_0\)で表せる順序数とそれ未満の順序数全体+αの集合になる。
\(X := \{\k : \k \notin B(1,\k) \land 1 \in B(1,\k)\}\)は\(\c_0\)で閉じている、つまりオメガ不動点かつ正則な基数、
つまりM未満の弱到達不能基数全体の集合になる。
\(\cl_M(X)\)はM未満の弱到達不能基数とその極限全体の集合になる。
よって\(\c_1\)はそれを数え上げる関数になる。
上記のようなふるいをかけても、集合が空になって数え上げられなくなったりすることがないことを保証してくれるのが(弱)マーロ性であり定常性である。
では\(M\)を最小の弱マーロ基数ではなく、例えば最小の弱ハイパー到達不能基数にするとどうなるだろうか。
\(M\)を最小の弱マーロ基数でなくすると[]
\(B(M,\b)\)は\(0,\c_\d ~ (\d < M)\)で表せる順序数とそれ未満の順序数全体+αの集合になる。
\(\{\k : \k \notin B(M,\k) \land M \in B(M,\k)\}\)は\(\b \mapsto \c_\b(0)\)で閉じている\(M\)未満の正則基数...
つまりM未満の弱ハイパー到達不能基数の集合になる。
当然これは空集合になるので、\(\c_M\)は定義されなくなって\(\c_\a ~ (\a < \G_{M+1})\)の全域性が破綻する。
ラティエンのχ関数[]
原論文3をDeepLで翻訳して手直ししたもの。
以後、\(M^\G := \min\{\a>M : a \in SC\} = \G_{M+1}\)以下の順序数に限定する。 この段落では、\(\a\)上の超限再帰によって、\(\a < M^\G\)の関数\(\c_\a : M \to M\)を定義する。 この関数の階層性により、\(D(a) := \c_\a(0)\) を介して、順序数\(\a \in [M,M^\G)\)を\(M\)以下に送る「折りたたみ関数」\(D : M^\G \to M\)を定義することができる。 マーロ基数の本質的な特徴を反映するために、\(M\)以上の順序数によって指数化された関数を使う必要があるのは、\(M\)がそれ未満の弱到達不能基数の対角化と反復を組み合わせたものでは、得られるものではないことに対応している。
ラティエンのχ関数の全域性[]
補題: あらゆる\(\a<\Gamma_{M+1}\)について、\(\c_\a : M\to M\)は\(\dom(\c_\a)=M\)となる正規関数である。
証明:\(\textrm{IN}(\alpha) := \{\kappa : \kappa \notin B(\alpha,\kappa) \land \alpha \in B(\alpha,\kappa)\}\)がMの中で非有界であることを示せばよい。
すなわち\(\forall\gamma < M ~ \exists\delta \in \textrm{IN}(\alpha) ~ (\gamma < \delta)\)を示せばよい。
さらにMが弱マーロ基数であることで、
\[ Z_\a := \{\n<M : \n \in \CARD \land \n \notin B(\a,\n) \land \a \in B(\a,\n)\} \]
が\(M\)の中で閉じていて非有界なことを示せばよい。
なぜなら、\(Z_\a\)に\(M\)個の正則基数が含まれていることを意味するからである。
\(<\n_n : n < \lambda>\)は\(Z_\a\)の要素の増加列とする。ここで、\(\lambda < M\)は極限である。
\(\n = \sup\{\n_n : \n < \lambda\}\)とする。
3.5(ii)より、\(\n \in B(a,\n_n)\)は\(\n_n \in B(a,\n_n) ~ (\n < \lambda)\)を意味するので、3.5(iv)より\(\n_n \in B(\a,\n_n)\)という矛盾が成立する。
これによって\(\n \in Z_\a\)が確定し、\(Z_\a\)の閉包が成立する。
ここで\(\a*<b<M\)とする。これは\(SC_M(\a) \subset B(\a,\b)\)を意味する。したがって、(B2),(B3)により\(\a \in B(\a,\b)\)となる。
nの帰納法により、\(|B^n(\a,\b)| < M\)であることを示す。
ここで\(|B^n(\a,\b)|\)は\(B^n(\a,\b)\)の基数を表す。
\(n = 0\)の場合、明らかに正しい。
\(n = m+1\)の場合、帰納的仮説とMの正則性により、\(B^m(\a,\b) \cap M \subset \n\)となるような\(\n < M\)が存在する。したがって、\(B^n(\a,\b)\)は\(\x,\n \in X ~ (\x < \a)\)の写像\(+,\vp_\n,\c_\x\)に関して集合\(X := B^m(\a,\b) \cup \n\)の閉包に含まれる。
\(|X| < M\)であるから、\(|B^n(\a,\b)| < M\)である。これで帰納法が完成する。
その結果\(|B(\a,\b)| < M\)となり、\(\z := \min\{\eta : \eta \notin B(\a,\b)\} ~ (\z < M)\)となる。
\(\z\)と\(B(\a,\z)\)の定義から、\(B(\a,\b) = B(\a,\z)\)となり、\(\z \notin B(\a,\z)\)、つまり\(\z \in Z_\a\)となる。
したがって、\(\a*<b\)となるような任意の\(b<M\)から出発して\(b\le\z\)となるような\(\z \in Z_\a\)が存在することを立証したので、\(Z_\a\)はMで非有界でなければならない。
\(Z_\a\)はMの中で閉じていて非有界なので、\(\textrm{IN}(\a)\)はMの中で非有界なことが得られる。
したがって、定義により\(\c_\a : M\to M\)は正機関数であることがわかる。