"到達不能基数を数え上げる多変数関数による単純な順序数崩壊関数" を書き上げたおかげで三関数の正体について理解できたかもしれないので書き留めることにする。
まず、結論からいうと、三関数は、 SOCFwMFfcIC の \( \mathbf{I} \) を弱マーロ基数を数え上げる関数を使って崩壊するようにして、その \( \mathbf{I} \) と \( \psi \) を融合させたものではないかと私は思う。
ヴェブレン階層から拡張ブーフホルツ関数への流れを例にして解説する。
- ヴェブレン階層
- 操作-1
- 多変数ヴェブレン関数
- 操作-2
- 超限変数ヴェブレン関数
- 操作-3
- バッハマンとラティエンのプサイ関数などが該当する。
- 操作-4
- OCF (2021-06-10) などが該当する。
- 操作-5
- ブーフホルツの拡張プサイ関数
操作-1 と 操作-2 は単純に多変数化と超限変数化と呼ぶ。これは "Collapsification の考察" でもそうしている。
操作-3 はカントール標準形化と呼ぶことにする。これは "Collapsification の考察" の「カントール標準化」と意味が異なっていることに注意して欲しい。甘露東風氏の記事での「カントール標準化」は 操作-3 と 操作-4 が組み合わさった操作となっており複雑すぎると考えたためだ。
操作-4 は更なる分解が可能であるので後で説明する。
操作-5 は一元化と呼ぶことにする。 \( { \psi } _ { \nu } ( \alpha ) \) と \( { \omega } _ { \alpha } \) を融合させる操作である。これはブーフホルツのプサイ関数の特色となっているが、それは関数の性質を複雑にさせ理解を阻害するものだと私は考えており、また超限変数ブーフホルツ関数を見て分かるように値の動きが歪な印象が否めず、私は "到達不能基数を数え上げる多変数関数による単純な順序数崩壊関数" のように部品を単純に組み合わせる方向性を好んでいる。
操作-4 は \( { \omega } _ { 2 } \) を追加して \( { \omega } _ { 1 } \) へ崩壊させるというのが第一段階である。これは、 \( { \omega } ^ { \alpha } \) の不動点を \( { \varepsilon } _ { 0 } \) とすることに似ているように考えられる。この対応を進めていこう。
- \( { \omega } _ { 1 } \) - \( { \varepsilon } _ { 0 } \)
- \( { \omega } _ { 2 } \) - \( { \varepsilon } _ { 1 } \)
- \( { \omega } _ { 3 } \) - \( { \varepsilon } _ { 2 } \)
- \( { \omega } _ { 4 } \) - \( { \varepsilon } _ { 3 } \)
そして、 Rathjen's 1990 function の \( \mathrm{\Phi} \! \left( 1, 0 \right) \) となる。しかし、これは \( { \zeta } _ { 0 } \) には対応しない。なぜだろうか?
たとえば、 \( { \varepsilon } _ { 3 } \) は直接的に \( { \varepsilon } _ { 2 } \) の不動点である。しかし、 \( { \omega } _ { 3 } \) は崩壊を挟んでから \( { \omega } _ { 2 } \) になるのである。
よって、 \( { \zeta } _ { 0 } \) に対応させるためには、直接的に \( { \omega } _ { \alpha } \) の不動点であるような \( \mathrm{\Phi} \! \left( 1, 0 \right) \) ではなく、崩壊を挟んで \( { \omega } _ { \alpha } \) の不動点になる \( \mathrm{I} \! \left( 1, 0 \right) \) を持ってくる必要があるのである。
さらに、 \( \mathrm{I} \! \left( 1, 0 \right) \) に多変数化と超限変数化を施して到達不能基数を数え上げる多変数関数による単純な順序数崩壊関数となる。これは超限変数ヴェブレン関数に対応している。
となると、次に考えられるのは \( \mathrm{I} \! \left( 1, 0 \right) \) のカントール標準形化である。しかしも、ただカントール標準形化をするだけではダメなのである。崩壊と掛け合わせるとカントール標準形化されているものになるようなものではなければならない。
そして、その次が更なる崩壊である。崩壊を行うと漸く崩壊となるような崩壊なのである。
このようなものに一元化を施したのが三関数なのではないかと私は直感するのだ。
再び纏めなおそう。ここで、崩壊を経由すると○○になるようなものを 崩壊-○○ と書く。
- カントール標準形: \( { \varepsilon } _ { 0 } \)
- 不動点化
- \( { \varepsilon } _ { 0 } \) までを含むカントール標準形: \( { \varepsilon } _ { 1 } \)
- 不動点化
- \( { \varepsilon } _ { 1 } \) までを含むカントール標準形: \( { \varepsilon } _ { 2 } \)
- ○○化
- \( { \zeta } _ { 0 } \) までを含むカントール標準形: \( { \eta } _ { 0 } \)
- ○○化
- \( { \eta } _ { 0 } \) までを含むカントール標準形: \( { \varphi } _ { 4 } ( 0 ) \)
- ○○化
- ヴェブレン階層: \( \phi \! \left( 1, 0, 0 ) \right) \)
- 多変数化
- 多変数ヴェブレン関数: \( \phi \! \left( \left[ 1, \omega \right], \left[ 0, 0 \right] \right) \)
- 超限変数化
- 超限変数ヴェブレン関数: \( { \psi } _ { { \omega } _ { 1 } } \! \left( { { \omega } _ { 0 } } ^ { { { \omega } _ { 0 } } ^ { { { \omega } _ { 0 } } ^ { { \omega } _ { 1 } + { \omega } _ { 1 } } } \right) \)
- カントール標準形化
- バッハマンとラティエンのプサイ関数: \( { \psi } _ { 0 } \! \left( { \psi } _ { 2 } \! \left( 0 \right) \right) \)
- 崩壊-不動点化
- \( { \psi } _ { 0 } \! \left( { \psi } _ { 2 } \! \left( 0 \right) \right) \) から: \( { \psi } _ { 0 } \! \left( { \psi } _ { 3 } \! \left( 0 \right) \right) \)
- 崩壊-不動点化
- \( { \psi } _ { 0 } \! \left( { \psi } _ { 3 } \! \left( 0 \right) \right) \) から: \( { \psi } _ { 0 } \! \left( { \psi } _ { 4 } \! \left( 0 \right) \right) \)
- ○○化
- ブーフホルツの拡張プサイ関数: \( { \psi } _ { { \omega } _ { 1 } } \! \left( \mathrm{\Phi} \! \left( 1, 0 \right) \right) \)
- 崩壊-○○化
- イェーガーとブーフホルツのプサイ関数: \( { \psi } _ { { \omega } _ { 1 } } \! \left( { \mathrm{I} } _ { 1 } \! \left( 1 \right) \right) \)
- 崩壊-多変数化
- 到達不能基数を数え上げる多変数関数による単純な順序数崩壊関数: \( { \psi } _ { { \chi } _ { 0 } \! \left ( 0 \right) } \! \left( { \psi } _ { { \chi } _ { M } \! \left( \omega \right) } \! \left( 0 \right) \right) \)
- 崩壊-超限変数化
- なし: \( { \psi } _ { { \chi } _ { 0 } \! \left ( 0 \right) } \! \left( { \psi } _ { { \chi } _ { M + 1 } \! \left( 0 \right) } \! \left( 0 \right) \right) \)
- 崩壊-カントール標準形化
- ラティエンのプサイ関数: _
わけがわからなくなってきた。