京 (けい) は日本語の数の単位の1つである。通常、一京で\(10^{16}=10000000000000000\)を表す。
文献による違い[]
一般的に一京\(=10^{16}\)として使用されているのは、現在の日本で使われている数の単位が『塵劫記』の1634年 (寛永11年) 版に基づいるためである。これは時代や文献によって異なる。なお、京は下数、中数万進、中数万万進、上数の全てで値が異なる最小の数である。
文献 | 著者 | 時代 | 方式 | 大きさ |
---|---|---|---|---|
礼記 | 戴聖 (編纂者) | 前漢 | 中数万万進 | \(10^{24}\) |
数術記遺 | 徐岳 | 2世紀頃 | 下数 | \(10^{7}\) |
中数万進 | \(10^{16}\) | |||
上数 | \(10^{32}\) | |||
算法統宗 | 程大位 | 1592年 | 中数万万進 | \(10^{24}\) |
塵劫記 | 吉田光由 | 初版 (1627年) | 下数 | \(10^{7}\) |
寛永8年版 (1631年) | 中数万進 | \(10^{16}\) | ||
寛永11年版 (1634年) | 中数万進 | \(10^{16}\) |
使用例[]
- ラマヌジャン定数は約26京である。 (\(R=e^{\pi\sqrt{163}}\approx262537412640768743.99999999999925007\cdots\))
- 9番目のメルセンヌ素数は約231京である。 (\(2305843009213693951\))
- 地球にいるアリの総数は、控えめな見積もりで2京匹と推定されている。これは鳥類と哺乳類を合わせたバイオマスを上回り、人間のバイオマスの20%に相当する[2]。
- 宇宙の年齢はΛ-CDMモデルによれば 137.87±0.20 億年[3]、すなわち約43京5千兆秒である。
その他[]
- ショートスケールのTen-quadrillionは1京に等しく、One-quintillionは100京に等しい。
- スーパーコンピューターの「京」の名称は、計算能力が10PFLOPS、つまり1京FLOPSに相当することに由来する[4]。実際に記録されたTOP500におけるLINPACK性能は1京510兆FLOPS (10.51PFLOPS) であった[5]。
出典[]
- ↑ 高杉親知. (Oct 2, 2002) "無量大数の彼方へ". 思索の遊び場.
- ↑ Patrick Schultheiss, Sabine S. Nooten, Runxi Wang, Mark K. L. Wong, François Brassard & Benoit Guénard. "The abundance, biomass, and distribution of ants on Earth". Proceedings of the National Academy of Sciences, 2022; 119 (40) e2201550119. DOI: 10.1073/pnas.2201550119
- ↑ Planck Collaboration (2020). "Planck 2018 results. VI. Cosmological parameters". Astronomy & Astrophysics 641: A6. doi:10.1051/0004-6361/201833910 (Table 2 の Age [Gyr]、一番右の欄)
- ↑ 独立行政法人理化学研究所&富士通株式会社. (Jul 2, 2012) "スーパーコンピュータ「京」が完成". 理化学研究所.
- ↑ 独立行政法人理化学研究所&富士通株式会社. (Nov 2, 2011) "京速コンピュータ「京」が10ペタフロップスを達成". 富士通株式会社.