倍積完全数 (Multiply perfect number[1], Multiperfect Number[2]) とは、その約数の総和が元の数の整数倍になるような自然数の事である。約数関数において\(\sigma(n)=kn\)を満たすようなnをk倍完全数と呼ぶ。なお、通常2倍完全数は単に完全数と呼ばれる。
最小のk倍完全数の一覧[]
以下の表の内、7倍完全数まではこれが真に最小値である事が確定している[3]。また、11倍完全数までが発見されている[1]。
\(k\) | 最小のk倍完全数 |
---|---|
\(1\) | \(1\) |
\(2\) | \(6\) |
\(3\) | \(120\) |
\(4\) | \(30240\) |
\(5\) | \(14182439040\) |
\(6\) | \(154345556085770649600\) |
\(7\) | \(141310897947438348259849402738485523264343544818565120000\) |
\(8\) | \(\approx8.26810\times10^{132}\) |
\(9\) | \(\approx5.61308\times10^{286}\) |
\(10\) | \(\approx4.48565\times10^{638}\) |
\(11\) | \(\approx2.51850\times10^{1906}\) |
未解決問題[]
- 奇数の完全数についての議論と同じく、奇数の3倍完全数が存在するか否かは未解決問題である。そのような数がある場合、その大きさは少なくとも\(10^{70}\)以上であり、少なくとも12個の異なる素因数を持ち、最大の素因数は100000を超える[4]。1以外の奇数の倍積完全数は存在しないという予想もあるが、これも未解決問題である[1]。
- 2倍完全数は無限に存在するが、それ以外の倍積完全数は有限個しか存在しない予想がある[1]。
- 整数n=abについて、aとbが互いに素であるとき、aおよびbはnの基準約数[5] (unitary divisor[6]) という。整数nの基準約数のnを除いた総和がnに一致する数を基準完全数[7] (unitary perfect number)という。基準完全数は有限個しかないと思われているが、未解決問題である[5]。単約数の総和が元の数のk倍となるものを基準k倍完全数 (unitary k-multiperfect number) という。基準k倍完全数はk=2のみ、即ち通常の基準完全数のみ知られており、3以上の例は知られていない。また、奇数の基準k倍完全数は存在しない[8][5]。
出典[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 "The Multiply Perfect Numbers Page." Universität Bielefeld.
- ↑ "Multiperfect Number."
- ↑ "A007539 a(n) = first n-fold perfect (or n-multiperfect) number." On-Line Encyclopedia of Integer Sequences.
- ↑ József Sándor, Dragoslav S. Mitrinović, Borislav Crstici, eds. (2006) "Handbook of number theory I." Dordrecht: Springer-Verlag. ISBN 1-4020-4215-9.
- ↑ 5.0 5.1 5.2 基準完全数 INTEGERS
- ↑ Unitary Divisor Wolfram MathWorld.'
- ↑ Unitary super perfect numbers が基準超完全数と訳されていることに従う
- ↑ "Unitary Multiperfect Number." Wolfram MathWorld.