溝

溝 (こう) は、日本語の数の単位の1つである。通常、一溝で\(10^{32}=100000000000000000000000000000000\)を表す。

文献による違い

一般的に一溝\(=10^{32}\)として使用されているのは、現在の日本で使われている数の単位が『塵劫記』の1634年 (寛永11年) 版に基づいるためである。これは時代や文献によって異なる。

一溝の大きさ

文献	著者	時代	方式	大きさ
礼記	戴聖 (編纂者)	前漢	中数万万進	\(10^{56}\)
数術記遺	徐岳	2世紀頃	下数	\(10^{11}\)
			中数万進	\(10^{32}\)
			上数	\(10^{512}\)
算法統宗	程大位	1592年	中数万万進	\(10^{56}\)
塵劫記	吉田光由	初版 (1627年)	下数	\(10^{11}\)
		寛永8年版 (1631年)	中数万進	\(10^{32}\)
		寛永11年版 (1634年)	中数万進	\(10^{32}\)

使用例

• SI接頭辞の追加に関する議事録の中にブンデカ (bundecca・B) があり、1Bは10溝に等しい。議事録中にあるのみで追加議論対象ではない。
• 11番目のメルセンヌ素数は約1溝6226穣である。 (\(M_{107}=2^{107}-1=162259276829213363391578010288127\))
• \(k \geqq 6\)の場合のオイラー予想の反例は見つかっておらず、\(k=6\)については約151溝までは存在しない事が確認されている。
• ショートスケールのHundred-nonillionは1溝に等しく、One-decillionは10溝に等しい。
• プランク温度は、唯一1以上の値を有する基本プランク単位であり、その値は約1溝4168穣Kである。
• R136a1は、不確実性が小さい中では知られている最も重い恒星であり、約3溝9000穣kgである。
• 観測可能な宇宙の体積は約4溝立方光年である。
• 大統一理論で予測される陽子の半減期の下限は約167溝年である。
• 『スーパーマリオメーカー』で作成可能な最もクリアに時間のかかる一画面で示されるステージとして約600溝年かかるステージが紹介されている。

出典

日本語の数の単位

大数: 万・億・兆・京・垓・𥝱 (秭) ・穣・溝・澗・正・載・極・恒河沙・阿僧祇・那由他・不可思議・無量大数
小数: 六徳・虚空・清浄 (虚・空・清・浄)