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\(\omega_1\) (\(\Omega\) ともよく書かれる)は、「オメガ1」あるいは「第一非可算順序数」(first uncountable ordinal) と呼ばれ、最小の非可算順序数である。これには、以下のようにいくつかの同値の定義がある。

  • 自然数全体の集合から順序数 \(\alpha\) への全射が存在する時に、 \(\alpha\) が可算であると言う。\(\omega_1\) は可算でない最小の順序数である。
  • \(\omega_1\) は、その共終数が自分自身に等しい2番目の無限順序数である。
  • \(\omega_1\) は、自然数全体の集合への全単射が存在するようなすべての順序数の上限である。
  • \(\omega_1\) は、すべての可算順序数の集合である。ここで、順序数の定義は、自らよりも小さいすべての順序数の集合である。
  • \(\omega_1\) は、\(\omega\) よりも大きい濃度を持つ最小の順序数である。すなわち、 \(|\omega_1| = \aleph_1 > \aleph_0 = |\omega|\) となる。

順序数崩壊関数で第一非可算順序数が使われる理由は、(1)これは順序数崩壊関数で構成できるいかなる順序数よりも大きい。(2)「可算」という言葉を使うことが便利である。という、2つの理由がある。そのような場面では、通常 \(\vartheta(\Omega^\Omega)\) のように大文字の \(\Omega\) を使ってあらわされる。

\(\omega_1\) には可算基本列(可算無限個の数列であらわされる基本列、すなわち通常の基本列)が存在しないため、急増加関数やその仲間の限界を示している。ただし、\(\omega_1\) よりも大きい可算基本列が存在する順序数は存在する。たとえば、 \(\omega_1 \times \omega\) や \(\omega_\omega\) などである。

連続体仮説 は \(\omega_1\) が実数全体の集合と同じ濃度をもつことを明言する、それはつまり、可算順序数全体から実数全体への全単射が存在しうることになる。連続体仮説は ZFC から独立していることが示された、すなわち連続体仮説はZFCで証明も反証も不可能であることを意味し、 仮説への満足のいく解決策はまだ見つかっていない。

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