巨大数研究 Wiki
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紅魔館のメイドナンバー長谷川由紀路(TwitterID @ailinko)が2018年3月25日に考案した巨大数であり、第2回東方巨大数参加作品である。[1]

経緯

作者によると、「みくみく数 Vol.3[2]」という巨大数の定義を目論んだ「みくみくカウンター」という巨大関数の拡張パーツである「M3数」が「紅魔館のメイドナンバー」の起源である。アッカーマン関数のステップ数の多さを利用するという「アッカーマン増殖法」には大きな誤算があった。この「みくみくカウンター」の強化パーツである「M2数」の強さが順序数「\(\varepsilon_0\)」に到達したと推定された後、その「M2数」に「巨大関数の構造の評価に関する未熟さと誤認による修正」を施してしまった。テトレーションの構造で順序数「\(\varepsilon_0\)」ならば、アッカーマン関数の構造を使えば少なくとも順序数「\(\varepsilon_0\)」以上の強さがあるとの算段であったが、肝心の「M2数」が弱体化していたのだ[3]。東方巨大数2の審査団の解析によると、その強さは順序数「\(\varepsilon_0\)」には遠く及ばず順序数「\(\omega^{\omega^{\omega}}\)」に留まった。[4]
 

定義

元の記事から定義だけを取り出して書く。しかし、この定義には厳密ではないところがある。

一般多変数アッカーマン増殖法 Act.3

 

  •  アッカーマン増殖法の定義 Act.3

 \(Ack(Step No.X) = Ack(Step No.X+1)^n\) 補足:n個に増殖するぜ。
 \(Ack(Final Step) = Decimal Number\) 補足:最後の計算結果は増殖しないぜ。
 

  •  アッカーマン関数の改造定義 Act.3

 \(Ack(0,a) = a+n\)
 \(Ack(b,0) = Ack(b-1,n)\)
 \(Ack(b,a) = Ack(b-1,Ack(b,a-1))\)
 

  •  3変数アッカーマン関数の改造定義 Act.3

 \(Ack(0,0,a) = Ack(a+n,a+n)\)
 \(Ack(c,0,a) = Ack(c-1,a+n,a+n)\)
 \(Ack(c,b,0) = Ack(c,b-1,n)\)
 \(Ack(c,b,a) = Ack(c,b-1,Ack(c,b,a-1))\)
 

  •  多変数アッカーマン関数の改造定義 Act.3

 \(X : 0個以上の0以上の整数\)
 \(Y : 0個以上の0\)
 \(a,b : 0以上の整数\)
 \(Ack(Y,a) = Ack(Y回 …,a+n,a+n,a+n)\) 補足:変数が一つ減るという意味だぜ。
 \(Ack(X,b,0,Y,a) = Ack(X,b-1,a+n,Y,a+n)\)
 \(Ack(X,b,0) = Ack(X,b-1,n)\)
 \(Ack(X,b,a) = Ack(X,b-1,Ack(X,b,a-1))\)
 

急増加関数の定義

 
 \(f_0(n)= n+1\)
 \(f_a(n)= f^n_{a-1}(n)\)
 
 これはそのままだな。詳しくはここに書いてあるぜ[5]
 

  •  急増加関数・極限順序数に関する定義

 \(f_α(n)= f_{α[n]}(n)\)
 \(α[n] は極限順序数 α の基本列のn番目の項\)。

計算方法

基本となる表記

 

  • アルファゼロ関数の基本形

 
 \(f [b.a](n)\)
 
 これが2変数アッカーマン増殖法を使ったアルファゼロ関数の基本形だぜ。演算のレベルを示す順序数に相当するのが \([b.a]\) で、これを「歩数」と名付けるぜ。これは\(Ack(b,a)\)だが\(Ack\)の省略形として\([b.a]\)と記すことにする。 では、具体的な数字で計算してみるぜ。
 
 \(f [1.1](3)=\)
 \(f [0.[1.0]] [0.[1.0]] [0.[1.0]](3)=\)
 \(f [0.[1.0]] [0.[1.0]] [0.[0.3]] [0.[0.3]] [0.[0.3]](3)=\)
 
 こんな感じでアッカーマン関数の1ステップごとにn個に「歩数」が増殖してゆくんだ。ちなみに3行目は改造版の定義をもとにした計算だ。間違ってないぜ。

略記

 
 重要なことなんで念を押して解説するぜ。
 
 \(f [0.[1.0]] [0.[1.0]] [0.[0.3]] [0.[0.3]] [0.6] [0.6] 9(3)\)
 
 この\([0.[1.0]] [0.[1.0]] [0.[0.3]] [0.[0.3]] [0.6] [0.6] 9\)の文字列はこれでひとつの 「歩数」だぜ。同じステップで増殖した仲間はまとめることもできる‥ \([0.[1.0]]^2 [0.[0.3]]^2 [0.6] ^2 9\)こんな感じにな。
 

特殊なケース

 
 ここで大きな流れを復習するぜ。「歩数」は演算のレベルを示す数だ。この「歩数」は「アッカーマン増殖法」によって\(n\)個に増殖してゆく。この「歩数」の末尾が十進数になると、「歩数」を1ステップづつ減らしてゆく事が出来る。つまり、演算のレベルを下げることが出来る。すると関数は\(n\)重に増殖してゆく。これを繰り返して演算のレベルが0になると、芯である\(n\)が大きくなって、さらにこれを繰り返すと、最終的に芯である\(n\)が目的の巨大数となって計算が終了するぜ。さて、\(f [1.1](3)\)という関数で最初に\(f\)の計算となるのは\(f [0.6](3))だぜ。こいつを計算すると、約\(2→3→8\)だな。
 
 f [0.[1.0]] …略… (f [0.6] (f [0.6]【3】))…略…) =
 f [0.[1.0]] …略… (f [0.6] (f 9 【3】))…略…) =
 f [0.[1.0]] …略… (f [0.6]【巨大数】)…略…) =
 f [0.[1.0]] …略… (f 6+巨大数【巨大数】)…略…) =
 f [0.[1.0]] …略… 【超巨大数】…略…)
 

巨大数

 
f α_0【n】= f [n回…n.n.n.n ]【n】
紅魔館のメイドナンバー = f α_0 1【3】 = f α_0 ( f α_0 ( f α_0【3】))
 

厳密な定義

Nayuta Itoが、自身のブログ内で紅魔館のメイドナンバーを厳密に定義する試みを行っている。[6]

脚注

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