基数
が
-記述不可能(記述不能) (
-indescribable) であるとは,任意の
,
-文
に対し
ならば,ある
が存在し
となることである[1] p. 58.
ここで,論理式は
に対応する一変数関係記号を添加した集合論の言語における論理式を考えており,更に
論理式は高階算術の論理式の階層ではなく高階集合論の論理式の階層[1] p. 7を表し,また標準意味論であることとに注意すべきである.
歴史[]
集合論に於ける大切な定理として反映原理 (reflection principle) があり,到達不能基数やマーロ基数が引き起こす反映原理の強さがレヴィ[2]によって研究された.ハンフ・スコット[3]はその性質を一般化して記述不能基数を定義した.
同値な定式化[]
この定義は,任意の
,
,
-文
に対し
ならば,ある
が存在し
となることと同値である[1] p. 59.
また一階の言語のみを用いて以下のように定式化することもできる,
が
-記述不可能であることは,任意の
,
-文
に対し
ならば,ある
が存在し
となることと同値である.
性質[]
また基数が
-記述不能であることと弱コンパクト基数であることは同値である.巨大数論において記述不能基数が役に立つのは順序数崩壊関数である.
拡張[]
記述不可能基数の拡張として鋭敏基数がある。
外部リンク[]
出典[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 A. Kanamori, The Higher Infinite: Large Cardinals in Set Theory from Their Beginnings, Springer Monographs in Mathematics, 2008.
- ↑ A. Lévy. Axiom schemata of strong infinity in axiomatic set theory. PJM 10 (1960), 223–238. XVIII, 57–59
- ↑ W.P. Hanf, D. Scott. Classifying inaccessible cardinals. Notices of the American mathematical Society 8 (1961): 445.