許容順序数 (admissible ordinal) は構成可能階層,
がKP集合論のモデルとなるような
である.
定義[]
推移的集合
が許容可能 (admissible) であるとは,
となることである.とくに
が許容可能になるとき,
は許容順序数 (admissible ordinal) である.また
より大きい許容順序数は再帰的正則順序数 (recursively regular ordinal) と呼ばれる.また一般に
-許容的であるとは
となることである.
性質[]
最小の許容順序数は
である.また許容順序数の全体の位相閉包の数え上げを
と表す.
は
が後続順序数であるとき,許容順序数である.例えばチャーチ・クリーネ順序数
は最小の
より大きいの許容可能順序数である.しかし
が極限順序数の場合,許容順序数であるとは限らない.例えば
は許容順序数ではない.
が極限順序数でかつ許容可能であるとき再帰的到達不能順序数 (recursively inaccessible ordinal) であるという.
-再帰理論に於ける
-再帰関数,すなわち
に於いて
-定義可能な関数を考えよう.
が許容順序数であることは以下のように特徴づけることができる.
- 任意の
,任意の
-再帰的関数
に対して,
となる.
基数
が正則であるということは以下のように定義された.
- 任意の
,任意の関数
に対して,
となる.
このことから,許容順序数が再帰的正則と言われうる所以が分かるであろう.また
より大きい許容順序数が
-反映順序数となることもこれから分かる.
また
となり,かつそのような順序数で最小である.また全ての極限順序数
に対し
であり,
はそのようなもので最小のものとなる.また
となる最小の
も
である[1].
参考文献[]
- P.G. Hinman. Recursion-theoretic hierarchies. Vol. 9. Cambridge University Press, 2017.
- J. Barwise. Admissible sets and structures. Vol. 7. Cambridge University Press, 2017.
- ↑ S.G. Simpson, Subsystems of Second-Order Arithmetic (second
edition), Perspectives in Logic, ASL (2009), ISBN 978-0-521-88439-6
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