隨入極微塵波羅摩呶羅闍[1] (ずいにゅうごくみじんはらまぬらじゃ[2] / Paramāṇu rajaḥ praveśānugata[3]) とは、『方広大荘厳経』に掲載されている最大の数であるが、その具体的な大きさは不明である。
概要[]
隨入極微塵波羅摩呶羅闍は、釈迦が拘胝 (俱胝) から100倍ずつ大きな数の名前を順々に説明する中で、最後となる33番目に現れる数である。
ただし、具体的に大きさが計算可能なのは、前の数の100倍ずつ増えていくと説明される文脈で最後に現れる怛羅絡叉までである。それ以上の大きさの数は、単に「前の数より大きい」という説明や、「恒河沙の絡叉や拘胝の数量を知ることができる」という説明となっており、大小関係以外の情報が欠如している。そして隨入極微塵波羅摩呶羅闍は「百拘胝恒河沙の絡叉の数量を知ることができる阿伽羅娑羅より大きい」という説明であるため、具体的な大きさを計算することができない。従って、怛羅絡叉の\(10^{53}\)より大きいということ以外は不明である。
Robert Munafoはuttaraparamanurajahpravesaという数に\(10^{421}\)を当てており、恐らくはこれが隨入極微塵波羅摩呶羅闍を意味すると考えられるが、参照している資料にそのような内容は書かれておらず、根拠は不明である[4][5]。もし、恒河沙・絡叉・拘胝の大きさを単純に割り当てたとしても[注釈 1]、隨入極微塵波羅摩呶羅闍の1つ手前の阿伽羅娑羅の大きさが最大で\(10^{110}\)であり、\(10^{421}\)とは相当な開きがある。
脚注[]
- ↑ 恒河沙が具体的に数詞として登場したのは1592年の『算法統宗』からである。仏典では単に「ガンジス川の砂の数ほどの巨大数」という例え表現で使われており、具体的な大きさを割り当てていた可能性は低い。
出典[]
- ↑ 方廣大莊嚴經卷第四, 入天祠品第八", T0187_.03.0563b13. SAT大正新脩大藏經テキストデータベース, 東京大学.
- ↑ 丸山 孝雄 & 常盤 大定. (1996) "國譯一切経 印度撰述部 本緣部 9 改訂". 大東出版社. ISBN 978-4-500-00042-5
- ↑ Dharmachakra Translation Committee. (2013) "A Play in Full: Lalitavistara". 84000: Translating the Words of the Buddha.
- ↑ Robert Munafo. "10421". Notable Properties of Specific Numbers.
- ↑ Bruce Friedman. "glossary entries for the letter L". mathorigins.com
関連項目[]
- 方広大荘厳経