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SCP-1941 とは、シェアドワールド共同創作コミュニティ『SCP財団』の作品の1つ。当記事内では作品内で言及されている巨大数Ωについて扱う。

概要[]

『SCP財団』とは、自然法則に反する対象物と、それらを研究する超国家的秘密組織「財団」を描いた創作作品群である。SCP-1941は、月面に衝突した後、自己複製と何らかの開発を行っている、高度な科学技術を持つ異星人のフォン・ノイマン型探査機である。作品内で、SCP-1941から放出されている信号を読み解いた結果にはある巨大数Ωが示されており、それの素因数分解を送信すると自己複製は停止するが、誤った解を送信した場合には自己複製が加速するということが示唆されている。

巨大数Ωは以下の通りである。なお、底が最小の素数4つ、冪指数の最上位は100以下の最大の素数4つで構成されている。

\[\Omega=2^{2^{79}}+3^{2^{83}}+5^{2^{89}}+7^{2^{97}}\]

大きさはおよそ\(10^{10^{29.126}}\)であり、知られている最大の素数は高々\(10^{10^{7.395}}\)である事を踏まえれば、現実世界は無論、作品内でも対処に困り、超技術による解決法には難題を抱える大きさとして描写されている。ただし少なくとも、巨大数Ωは素数ではなく、3を素因数に持つことが容易に計算できる。更に487811を素因数に持ち、LPer NATTOによるとこれら以外には\(2 \times 10^9\)以下の素因数を持たない[1]

3が素因数であるのはフェルマーの小定理に基づく以下の計算からである。487811についてもフェルマーの小定理とleft-to-right binary methodを用いて同様に計算可能である[2][3]。 \(2^{2^{n}}\equiv1\pmod{3},\ 3^{2^{n}}\equiv0\pmod{3},\ 5^{2^{n}}\equiv1\pmod{3},\ 7^{2^{n}}\equiv1\pmod{3} \ (n > 0) \\ \Omega=2^{2^{79}}+3^{2^{83}}+5^{2^{89}}+7^{2^{97}}\equiv1+0+1+1\pmod{3}=0\pmod{3}\)

オイラーの定理中国剰余定理を用いた同様の計算で3の指数が1である(9で割り切れない)ことも確認できる。なお小さい素数から順に割り切れるか否かを判定していく方法では現実的に素因数分解をすることが難しい。実際、もし\(10^{100}\)以上の素因数を持ってしまった場合は現実的に計算を終わらせることが難しく、一方で\(10^{100}\)未満の素因数しか持たない場合は少なくとも1つの素因数の指数が\(10^{26}\)を超えることになるので、やはり現実的に計算を終わらせることが難しい。従って、素因数分解を完全に行うためには小さい素数から順に指数を決定していくのではなく、何らかの代数的手法等を用いて理論的に素因数と指数を決定していく必要があるだろう。


外部リンク[]

参考文献[]

  1. LPer NATTO, LPerNATTO/SCP1941, GitHub.(素因数計算のソースコード)
  2. LPer NATTO, SCP-1941-Ω mod 487811 計算過程
  3. エビフライ, SCP-1941の巨大数Ωが487811を素因数とする理由, 巨大数研究 Wiki ユーザーブログ. (上記出典の清書・抜粋)
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