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TSS-ψ関数[1]は Kanrokoti[2] が2021年8月2日に公開した巨大数表記である。

TSS-ψ関数は拡張ブーフホルツのψ関数に伴う順序数表記を\(3\)変数に拡張し、\(\psi_a^b(c)\)がバシク行列システムの\((c,b,a)\)に対応するように構成されている。添字上昇システムを持つ数少ない表記の一つである。表記の限界が\((0,0,0)(1,1,1)(2,2,2)(3,3,3) \dots (n,n,n)\)に対応すると考えられている。

Kanrokotiは2022年11月6日にTSS-ψ関数の定義を書き直したものを公開した[4]。書き直された定義では、旧定義と比べて厳密性や可読性が向上している。そのため、このページでは書き直された定義を扱う。


定義[]

表記[]

\(0\)と\(+\)と\(\psi\)と\((\)と\(,\)と\()\)のみからなる文字列の集合\(T\)と\(PT\)を以下のように同時に再帰的に定める:

  1. \(0 \in T\)である。
  2. いかなる\((a,b) \in PT \times (T \setminus \{0\})\)に対しても、\(a+b \in T\)である。
  3. いかなる\((a,b,c) \in T^3\)に対しても、\(\psi(a,b,c) \in PT \cap T\)である。

各\((a,b,c) \in T^3\)に対し、\(\psi(a,b,c)\)を\(\psi^a_b(c)\)と略記する。


計算可能性に意味を持たせるために\(\omega\)を単なる文字列として扱い、\(\mathbb{N}^+ := \mathbb{N} \cup \{\omega\}\)と定める。

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} $ \colon \mathbb{N}^+ & \to & T \\ n & \mapsto & $n \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(n = 0\)ならば、\($n := 0\)である。
  2. \(n = 1\)ならば、\($n := \psi^0_0(0)\)である。
  3. \(n = \omega\)ならば、\($n := \psi^0_0($1)\)である。
  4. \(n \notin \{0,1,\omega\}\)ならば、\($n := $(n-1)+$1\)である。


部分集合\(RT \subset T\)と\(RPT \subset PT\)を以下のように同時に再帰的に定める:

  1. \(0 \in RT\)である。
  2. いかなる\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)に対しても、\(a+b \in RT\)である。
  3. \(a \ge b\)を満たすいかなる\((a,b,c) \in \mathbb{N}^2 \times RT\)に対しても、\(\psi^{$a}_{$b}(c) \in RPT \cap RT\)である。


上昇関数[]

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \Delta \colon RT \times (\mathbb{N} \setminus \{0\}) \times \mathbb{N} & \to & RT \\ (bp,\delta,br) & \mapsto & \Delta(bp,\delta,br) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(bp = 0\)ならば、\(\Delta(bp,\delta,br) := 0\)である。
  2. \(bp = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(\Delta(bp,\delta,br) := \Delta(a,\delta,br)+\Delta(b,\delta,br)\)である。
  3. \(bp = \psi^{$a}_{$b}(c)\)を満たす\((a,b,c) \in \mathbb{N}^2 \times RT\)が存在するとする。
    1. \(a \le br\)ならば、\(\Delta(bp,\delta,br) := \psi^{$a}_{$b}(c)\)である。
    2. \(a \gt br\)ならば、\(\Delta(bp,\delta,br) := \psi^{$(a+\delta)}_{$b}(\Delta(c,\delta,br))\)である。


探索関数[]

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \textrm{cp} \colon RT & \to & RT \\ s & \mapsto & \textrm{cp}(s) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(s = 0\)ならば、\(\textrm{cp}(s) := 0\)である。
  2. \(s = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(\textrm{cp}(s) := \textrm{cp}(b)\)である。
  3. \(s = \psi^{$a}_{$b}(c)\)を満たす\((a,b,c) \in \mathbb{N}^2 \times RT\)が存在するとする。
    1. \(\textrm{cp}(c) = 0\)ならば、\(\textrm{cp}(s) := s\)である。
    2. \(\textrm{cp}(c) \neq 0\)ならば、\(\textrm{cp}(s) := \textrm{cp}(c)\)である。


共終数[]

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \textrm{dom} \colon RT & \to & RT \\ s & \mapsto & \textrm{dom}(s) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(s = 0\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := 0\)である。
  2. \(s = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(\textrm{dom}(s) := \textrm{dom}(b)\)である。
  3. \(s = \psi^{$a}_{$b}(c)\)を満たす\((a,b,c) \in \mathbb{N}^2 \times RT\)が存在するとする。
    1. \(\textrm{dom}(c) = 0\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := s\)である。
    2. \(\textrm{dom}(c) = $1\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := $\omega\)である。
    3. \(\textrm{dom}(c) \notin \{0,$1\}\)ならば、\(\textrm{dom}(c) = \psi^{$d}_{$e}(f)\)を満たす\((d,e,f) \in \mathbb{N}^2 \times RT\)が存在する。
      1. \(e = 0\)とする。
        1. \(a \lt d\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := $\omega\)である。
        2. \(a \ge d\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := \textrm{dom}(c)\)である。
      2. \(e \neq 0\)とする。
        1. \(b \lt e\)とする。
          1. \(a \le d\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := $\omega\)である。
          2. \(a \gt d\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := \textrm{dom}(c)\)である。
        2. \(b = e\)とする。
          1. \(a \lt d\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := s\)である。
          2. \(a \ge d\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := \textrm{dom}(c)\)である。
        3. \(b \gt e\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := \textrm{dom}(c)\)である。


基本列[]

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} [ \ ] \colon RT^2 & \to & RT \\ (s,t) & \mapsto & s[t] \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(s = 0\)ならば、\(s[t] := 0\)である。
  2. \(s = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(b' := b[t]\)と置く。
    1. \(b' = 0\)ならば、\(s[t] := a\)である。
    2. \(b' \neq 0\)ならば、\(s[t] := a+b'\)である。
  3. \(s = \psi^{$a}_{$b}(c)\)を満たす\((a,b,c) \in \mathbb{N}^2 \times RT\)が存在するとする。
    1. \(\textrm{dom}(c) = 0\)ならば、\(s[t] := t\)である。
    2. \(\textrm{dom}(c) = $1\)とする。
      1. \(t = t[0]+$1\)ならば、\(s[t] := s[t[0]]+s[$1]\)である。
      2. \(t \neq t[0]+$1\)ならば、\(s[t] := \psi^{$a}_{$b}(c[0])\)である。
    3. \(\textrm{dom}(c) \notin \{0,$1\}\)ならば、\(\textrm{dom}(c) = \psi^{$d}_{$e}(f)\)を満たす\((d,e,f) \in \mathbb{N}^2 \times RT\)が存在する。
      1. \(e = 0\)とする。
        1. \(a \lt d\)とする。
          1. \(t = $i\)を満たす\(i \in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)と\(s[t[0]] = \psi^{$a}_{$b}(\Gamma)\)を満たす\(\Gamma \in RT\)が存在するならば、\(s[t] := \psi^{$a}_{$b}(c[\psi^{$a}_{$b}(\Gamma)])\)である。
          2. そうでないならば、\(s[t] := \psi^{$a}_{$b}(c[0])\)である。
        2. \(a \ge d\)ならば、\(s[t] := \psi^{$a}_{$b}(c[t])\)である。
      2. \(e \neq 0\)とする。
        1. \(b \lt e\)ならば、\(\textrm{cp}(c) = \psi^{$g}_{$h}(0)\)を満たす\((g,h) \in \mathbb{N}^2\)が存在する。
          1. \(a \le d\)ならば、\(\delta := g-a\)と置く。
            1. \(t = $i\)を満たす\(i \in \mathbb{N} \setminus \{0\}\)と\(s[t[0]] = \psi^{$a}_{$b}(\Gamma)\)を満たす\(\Gamma \in RT\)が存在するならば、\(s[t] := \psi^{$a}_{$b}(c[\psi^{$(a+\delta)}_{$b}(\Delta(\Gamma,\delta,a))])\)である。
            2. そうでないならば、\(s[t] := \psi^{$a}_{$b}(c[0])\)である。
          2. \(a \gt d\)ならば、\(s[t] := \psi^{$a}_{$b}(c[t])\)である。
        2. \(b \ge e\)ならば、\(s[t] := \psi^{$a}_{$b}(c[t])\)である。


急増加関数[]

計算可能部分写像 \begin{eqnarray*} f \colon RT \times \mathbb{N}^2 & \to & \mathbb{N} \\ (s,m,n) & \mapsto & f_s^m(n) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(m = 0\)ならば、\(f_s^m(n) := n\)である。
  2. \(m = 1\)とする。
    1. \(\textrm{dom}(s) = 0\)ならば、\(f_s^m(n) := n+1\)である。
    2. \(\textrm{dom}(s) = $1\)ならば、\(f_s^m(n) := f_{s[0]}^n(n)\)である。
    3. \(\textrm{dom}(s) \notin \{0,$1\}\)ならば、\(f_s^m(n) := f_{s[$n]}^1(n)\)である。
  3. \(m \notin \{0,1\}\)ならば、\(f_s^m(n) := f_s^1(f_s^{m-1}(n))\)である。


限界関数[]

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \Lambda \colon \mathbb{N}^2 & \to & RPT \\ (m,n) & \mapsto & \Lambda(m,n) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(m \ge n\)ならば、\(\Lambda(m,n) := \psi^0_0(\Lambda(m-1,n))\)である。
  2. \(m \lt n\)とする。
    1. \(m = 0\)ならば、\(\Lambda(m,n) := \psi^{$(n-m)}_{$(n-m)}(0)\)である。
    2. \(m \neq 0\)ならば、\(\Lambda(m,n) := \psi^{$(n-m)}_{$(n-m)}(\Lambda(m-1,n))\)である。


標準形[]

部分集合\(OT \subset RT\)を以下のように再帰的に定める:

  1. いかなる\(n \in \mathbb{N}\)に対しても、\(\Lambda(n,n) \in OT\)である。
  2. いかなる\((s,n) \in OT \times \mathbb{N}\)に対しても、\(s[$n] \in OT\)である。


命名[]

計算可能部分写像 \begin{eqnarray*} F \colon \mathbb{N} & \to & \mathbb{N} \\ n & \mapsto & F(n) \end{eqnarray*} を\(F(n) := f_{\Lambda(n,n)}^1(n)\)と定める。

Kanrokotiは\(F^{10^{100}}(10^{100})\)を「TSS-ψ数」と名付け、表記の限界に対応する順序数を「TSS-psi ordinal」(TSSPO)と名付けた。


解析[]

3行BM4(BM2.3)の表記系を\(B_3\)とする。\(\frown\)を行列の連結演算子とする。任意の項\(s \in OT\)が、\(\textrm{Trans}(s,0)\)によって3行バシク行列に変換されることを目指す。

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \textrm{Trans} \colon OT \times \mathbb{N} & \to & B_3 \\ (s,t) & \mapsto & \textrm{Trans}(s,t) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(s = 0\)ならば、\(\textrm{Trans}(s,t) := ()\)である。
  2. \(s = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(\textrm{Trans}(s,t) := \textrm{Trans}(a,t) \frown \textrm{Trans}(b,t)\)である。
  3. \(s = \psi_{$a}^{$b}(c)\)を満たす\((a,b,c) \in \mathbb{N}^2 \times RT\)が存在するとする。
    1. \(c = 0\)ならば、\(\textrm{Trans}(s,t) := (t,b,a)\)である。
    2. そうでないならば、\(\textrm{Trans}(s,t) := (t,b,a) \frown \textrm{Trans}(c,t+1)\)である。


計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \textrm{F} \colon OT & \to & B_3 \\ s & \mapsto & \textrm{F}(s) \end{eqnarray*} を\(\textrm{F}(s) := \textrm{Trans}(s,0)\)として定める。


文献[]


関連項目[]

Aeton: おこじょ数N成長階層
mrna: 段階配列表記降下段階配列表記多変数段階配列表記横ネスト段階配列表記
Kanrokoti: くまくまψ関数亜原始ψ関数ハイパー原始ψ関数TSS-ψ関数
クロちゃん: クロちゃん数第一第ニ第三第四
じぇいそん: ふにゃふにゃぜぇたかんすう\(\zeta\)関数
たろう: 多変数アッカーマン関数2重リストアッカーマン関数多重リストアッカーマン関数
Nayuta Ito: フラン数第一形態第二形態第四形態改三)・N原始東方巨大数4の規則の境界を突いた巨大数
バシク: 原始数列数大数列数ペア数列数バシク行列システム
長谷川由紀路: 紅魔館のメイドナンバー恋符マスタースパーク数みくみく順序数
108Hassium: E2:B-01-HsL-階差数列類E3:B-02-Hs
公太郎: 弱亜ペア数列肉ヒドラ数列弱ハイパーペア数列
p進大好きbot: 超限急増加関数表記拡張ブーフホルツのψ関数に伴う順序数表記四関数三関数巨大数庭園数
ふぃっしゅ: ふぃっしゅ数バージョン1バージョン2バージョン3バージョン4バージョン5バージョン6バージョン7)・ マシモ関数マシモスケールTR関数I0関数
ゆきと: 亜原始数列ハイパー原始数列Y数列
本: 巨大数論寿司虚空編
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