Y数列 | |
---|---|
型 | 数列 |
基本関数 | 後者関数 |
Y数列 (Y sequence) は、ゆきとが考案し、Naruyokoによって定義された階差数列システムの一種である。ゆきと自身がツイッターにてハイパー原始数列システムの拡張であるとしている[1]。
概要[]
Y数列の表記はバシク行列システムに類似しており、数列 \( S \) と自然数 \( n \) を取って、自然数 \( \mathrm{Y} S [ n ] \) を表す(省略して \( S [ n ] \) と書く時もある)。そのため、バシク行列システムと同様に、どのように数列を展開するかどうかが重要な点になる。
Y数列のJavascriptによるプログラムは[2]にて実行できる。Y数列の停止性や、停止する場合の大きさは未解決問題である。予想としては、バシク行列システムのバージョン4の限界がY数列の(1,3)に対応するとされている。
定義[]
現在、公式の定義はゆきとによって巨大数研究 Wiki ユーザーブログの記事 によって公開されている。
それによると、Y数列は \(\omega\) と自然数を含む数列として定義され、Y数列と自然数の組を入力としてY数列を出力する展開関数 \([]\) が Naruyoko のプログラムによって定義されている。展開関数の定義の概略を取り出して書き下すと以下のようになる。
\begin{eqnarray*} \mathrm{Y} ( ) [ n ] & = & n \\ \mathrm{Y} ( 1, \omega ) [ n ] & = & \mathrm{Y} ( 1, n ) [ n ] \\ \mathrm{Y} ( S _ 1 ) [ n ] & = & \mathrm{Y} ( ) [ n + 1 ] \\ \mathrm{Y} ( S _ 1, S _ 2, \ldots, S _ { m - 1 }, 1 ) [ n ] & = & \mathrm{Y} ( S _ 1, S _ 2, \ldots, S _ { m - 1 } ) [ n + 1 ] \\ \end{eqnarray*}
Y数列を使用する巨大数として、Y数列数は \( f ( n ) = \mathrm{Y} ( 1, \omega ) [ n ] \) としたときの \( f ^ { 2000 } ( 1 ) \) として定義されている。
歴史[]
ゆきとはツイッターにおいて、原型ができたのは2018年5月21日のことだとしている[3]。
2019年5月に、Y数列を使用する巨大数がゆきとにより東方巨大数3へ投稿されたが、無効となった[4]。この定義はドキュメントで作成された文書として投稿されたが、内容が大幅に削除されていて当時の定義を知ることはできなくなった。しかし、削除される前に \( (1,3) \) 未満の行列に対する定義についてkoteitanによる数式化[5]が行われているため、この記事を通して削除された定義の内容を伺うことはできる。特に重要なのはkoteitanが活性化関数と呼ぶものに該当する関数が \( n \mapsto n + 1 \) であると知ることができることだろう。そして2020年8月にゆきと自身により当時の定義が復元され[6]、今では自由に閲覧することができる。
展開例[]
全域にわたるY数列の展開規則は未定義であったが、展開についての例は2020年7月以前から豊富に存在した。たとえば、短い数列に対して列挙するもの[7]や、展開の予測が困難な数列や展開が定まっていない数列を纏めたもの[8]や、Y数列の定式化案の展開を比較したもの[9]が存在する。
2020年6月末にゆきとによる \( (1,2,4,8,10,8) \) の公式の展開が \( (1,2,4,8,10,7,12,15,11,17,21) \) から \( (1,2,4,8,10,7,12,14,11,17,19) \) に変更された。これについてkoteitanは自身のツイート[10]のような指摘が発端であるというツイートを行っている[11]。このことからゆきとが変更を決めたのは、おそらく、2020年6月28日から2020年6月29日にかけての夜であると考えられる。
全域における定式化[]
Naruyoko による最終的なY数列定義が作られる前に、ゆきと本人による説明になるべく整合的になるように第三者たちによって作られたY数列やそれに似た数列の全域にわたる定式化案が複数検討された。
2019年9月19日 にP進大好きbotはY数列の展開関数の数式による定義としてNew Difference Sequence System を公開した。
2019年9月28日 に Syst3ms はY数列によく似た展開規則のプログラム Bismuth を公開した。
2019年10月17日に Hexirp はY数列の数式による定義としてY数列 Hexirp 版を公開した。その後、改良がなされてバージョン 2.1 が最新版となっている。[12]この中でも、特に、2019年10月17日に公開されたバージョン1.0 は最終版のY数列の (1,2,4,8,10,8) の展開が実装されており、このバージョン1.0との違いを指摘したのちに最終版のY数列がこの展開に沿うように修正されたという経緯があるので、重要である。しかし、バージョン 1.0 は底なし山バグと言われる別のバグを含んでいたため、2019年12月2に バージョン2.0 にて修正された。
また、Discord サーバー Googology Server には Ecl1psed7156 が展開関数の定義をし、python で実装し、CatIsFluffy が discord bot に移植したY数列の展開プログラムがあるが、Googology Server の会員にしか公開されていない[13]。
2020年7月27日に Naruyoko はY数列の展開関数のプログラムによる定義として YNySequence を公開した。
その後、ゆきとが動作を確認して 2020年9月1日にそれを展開関数の正式版とすると宣言した。[14]
年表[]
- 2018年6月15日、Y数列の原型が完成する。
- 2018年から2019年をまたいでY数列の研究と解析が行われる。
- 2019年5月16日、Y数列を使用する巨大数が東方巨大数3に投稿されるが、定義不備により無効となった。
- 2020年6月26日、NaruyokoによりY数列描画アプリのwhY mountainが作成される[15]。 これがY数列の研究を加速させる。
- 2020年6月29日、koteitanがゆきとによる \( (1,2,4,8,10,8) \) の公式の展開が \( (1,2,4,8,7,12,15,11,17,21) \) から \( (1,2,4,8,10,7,14,11,17,19) \) に変更されたとツイートする[16]。
- 2020年7月3日、Googology WikiユーザーのEcl1psed276 が \( ( 1, 2, 4, 8, 10, 8 ) \) を \( ( 1, 2, 4, 8, 10, 7, 12, 15, \ldots ) \) と展開するタイプのY数列システムの定式化では無限ループが生じる可能性が高いことを指摘し、実際に第三者によるいくつかの非公式な定式化案において無限ループが発生することが確認された[17][18]。これはあくまでY数列の定義が確定する前の話であるためY数列そのものの無限ループではないことに注意する。この指摘により2020年6月29日におけるY数列の公式の展開変更が非常に重要であることが強く認識された。なおゆきとはこの無限ループが2020年6月29日以前の展開でも起こらないと述べており、この証言に基づくと2020年6月29日以前の展開は第三者による多くの定式化案と一致しなかったことが判明する。
- 2020年7月22日、ゆきとが巨大数研究 Wiki ユーザーブログにて公式なY数列の定義を作成した。[19]
- 2020年9月1日、Y数列が完成した。
出典[]
- ↑ ゆきと, ハイパー原始数列との関係, twitter.
- ↑ Naruyoko, YNySequence, GitHub page
- ↑ ゆきと, [1], twitter.
- ↑ rpakr, 無効判定, twitter.
- ↑ koteitan, (1,3)未満のY数列の定義, 巨大数研究 Wiki ユーザーブログ.
- ↑ ゆきと, 「Y数列 - 2019年5月19日、2:09」のコピー, Googleドキュメント.
- ↑ Y数列, Googleスプレッドシート.
- ↑ Y sequence expansion examples(update suspended), Googleスプレッドシート.
- ↑ Y-like sequence expansion comparison, Googleスプレッドシート.
- ↑ koteitan, twitter, 2021年6月28日, twitter.
- ↑ koteitan, twitter, 2021年7月1日, twitter.
- ↑ Hexirp, "Y数列 Hexirp 版", 巨大数研究 Wiki, ユーザーブログ, 2019年10月14日
- ↑ Ecl1psed7156
- ↑ ゆきと, Y数列の完成に関するツイート, twitter.
- ↑ Naruyoko, whY mountainの作成, Discord.(非登録ユーザーに非公開のページ)
- ↑ Y数列の展開の変更記録, twitter.
- ↑ Y数列システムの特定の定式化案の無限ループ, Discord.(非登録ユーザーに非公開のページ)
- ↑ Hexirp, (2020-07-03)_Y数列_Hexirp_版_2.1_の無限ループ, 巨大数研究 Wiki ユーザーブログ.
- ↑ ゆきと, "Y数列", 巨大数研究Wiki, ユーザーブログ, 2020年7月
関連項目[]
Aeton: おこじょ数・N成長階層
mrna: 段階配列表記・降下段階配列表記・多変数段階配列表記・横ネスト段階配列表記
Kanrokoti: くまくまψ関数・亜原始ψ関数・ハイパー原始ψ関数・TSS-ψ関数
クロちゃん: クロちゃん数(第一・第ニ・第三・第四)
じぇいそん: ふにゃふにゃぜぇたかんすう・\(\zeta\)関数
たろう: 多変数アッカーマン関数・2重リストアッカーマン関数・多重リストアッカーマン関数
Nayuta Ito: フラン数(第一形態・第二形態・第四形態改三)・N原始・東方巨大数4の規則の境界を突いた巨大数
バシク: 原始数列数・大数列数・ペア数列数・バシク行列システム
長谷川由紀路: 紅魔館のメイドナンバー・恋符マスタースパーク数・みくみく順序数
108Hassium: E2:B-01-Hs・L-階差数列類・E3:B-02-Hs
公太郎: 弱亜ペア数列・肉ヒドラ数列・弱ハイパーペア数列
p進大好きbot: 超限急増加関数表記・拡張ブーフホルツのψ関数に伴う順序数表記・四関数・三関数・巨大数庭園数
ふぃっしゅ: ふぃっしゅ数(バージョン1・バージョン2・バージョン3・バージョン4・バージョン5・バージョン6・バージョン7)・ マシモ関数・マシモスケール・TR関数(I0関数)
ゆきと: 亜原始数列・ハイパー原始数列・Y数列
本: 巨大数論・寿司虚空編
大会: 東方巨大数・幻想巨大数・即席巨大数・式神巨大数・お料理巨大数
掲示板: 巨大数探索スレッド
外部リンク: 日本語の巨大数関連サイト